終の住まい
 

Aさん夫婦の場合 ~老人保健施設25万円(月)+妻の入院費用など

 80代・90代の夫婦の場合、ずっと2人ともしっかりしていれば問題はありませんが、夫婦のうち1人が病気やケガなどで入院した場合、夫婦の状況次第で多額の出費が発生します。

 福祉関係者の御世話になりながら在宅で頑張っていたAさん夫婦の場合でお話ししましょう。

 Aさん(90代)の妻B子さん(80代後半)がケガで3ヵ月ほど入院しました。Aさんは判断能力が不十分で成年後見人がついており、一人で自宅暮らしは無理なので、老人保健施設に3ヵ月入所しました。

 Aさんの老人保健施設の費用が月約25万円、プラス妻B子さんの入院費用が必要です。あわせて自宅の光熱費や電話などの通信費の基本料金は今までどおり発生します。

 B子さんの入院が3ヵ月の予定なので助かりますが、入院期間が読めない病気だと出費は相当なものになります。

 逆に、Aさんがケガで入院の場合、妻のB子さんは在宅で暮らせるので、Aさんの入院費のみの支払いで済みます。

 予想外の支出が急に発生するのが高齢期。それでも多くの福祉関係者に支えられ、妻の病院の近くの老人保健施設に入所できたAさんは幸運でした。

 




高齢者向け施設での訪問診療の改定(H24.4.)

 以前、介護付き有料老人ホームに入居中の高齢者を訪問した時、看護師や施設の職員を数人伴った医師の往診中に遭遇しました。

 医師は脈をとりながら二言三言本人と会話を交わし、次から次に部屋を移動し診察をしていました。思わず、部品をチェックする流れ作業に似ていると、月2回の訪問診療の現実から感じたものです。

 自宅にいるときは、病気になったとき以外は病院に行かないので医療費もそんなにかかりません。
施設に入居すると原則定期的に診察となり、本人が3割負担のときは高額でずっと疑問でした。

 入居時のパンフの提携病院◯◯の記載が、イザというとき安心と感じた筈なのに、実際に入居して発生する負担の矛盾まで気づきませんでした。

 そのしくみが平成26年4月から変わりました。
高齢者向け施設に訪問診療を行った医師の報酬が今までの4分の1の報酬に引き下げられました。
つまり、医師からみれば、同じ日に同一施設の複数の患者を診察する効果が減ったのです。

 まだスタートしたばかりですが、今後医師側の対応に注目したいところです。いずれにしても、国がめざす「地域で医療と介護を連携したサービス提供」の実現は前途多難と言えそうです。

 

2014.6.1

 


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