終の住まい
 

特養の待機者52.4万人に!

 特別養護老人ホーム(以下特養)の入所申込者数が52.4万人、うち入所の必要性が高い要介護4および5で在宅の入所申込み者は約8.7万人と厚生労働省から発表されました(平成26年3月修正)。

 平成21年12月集計の待機者は42.1万人、5年で約10万人増です。特養の定員は前回調査より約7.5万人増えましたが、増え続けるニーズに追いついていません。

 なお、要介護1~2の人数には、要支援等で入所申込みをした人も含んでいます。

特養入所希望者  単位:万人
要介護1~2 要介護3 要介護4~5
17.8
(34.1%)
12.6
(24.1%)
21.9
(41.8%)
52.4
(100%)

 特養入居の介護サービス1割以外の負担は、多床室なら月5.2万円、個室だと月10.2万円ほどと割安です。入所希望者が殺到する理由です。

 そこで負担の公平さから、入居条件も原則要介護3以上と厳しくなり、所得が少なくても一定の資産がある人に、応分の負担を求めるしくみが2015年8月から始まる予定です。

 但し、認知症などの場合、単純に要介護度のみで判断されると入所が難しい場合もあり、問題は山積みです。待ったなしの高齢化が進み、長生きを単純に喜べない時代になりました。

 




自分の足で歩きたい!

 支援をしているAさんが入居している施設を月1回は必ず訪問しています。訪問先の入居者は判断能力がない人がほとんどですが、何度も訪問していると顔なじみになり、私に話しかけてくれる人も増えました。Bさんもその一人です。

 すごく温かい3月末のこと、窓からは青く澄んだ空が見えました。いつものようにフロアのソファでAさんと会話。

 「今日は暖かく風も吹いてないけど、空気が気持ちいい日だよ」と私。「へ−、そうね」とBさん。

 すると、突然、隣で私たちの話しを聞いていたBさんが「自分の足で歩いてみたい!」と話しかけてきました。Bさんはずっと車椅子で過ごしています。「自分の足で歩き外の空気に触れてみたい!」と一言。

 そう何です。施設に入居するとずっと室内暮らし。外にでるのは、施設のイベントで外出するときだけ。車椅子のBさんは、外に出ても座っているだけです。Bさんの切実な言葉に思わずドキッとしました。

 広い施設とは言え、限られたフロアと個室だけの空間でずっと暮らしてきたBさん。判断能力が不十分ながら思わずでた本音の声が重く私に響きまし
た。

 高齢者施設は、自立して趣味や外出も自由に楽しめる人以外は、ご本人にとり、そんなに楽しいところではなさそうです。



2014.4.1

 


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